■湊川（みなとがわ）神社

神戸市中央区多聞通に鎮座する湊川神社は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将・楠木正成（くすのき　まさしげ）とその一族を祀る神社で、明治5年（1872年）に創建されました。神戸市民には「楠公さん」として親しまれています。

 

大楠公は楠木正成、小楠公はその嫡子・楠木正行（まさつら）です。楠木正行は成長して後に四条畷の戦いで戦没しています。

 

智略と勇気をもって少ない手勢で鎌倉幕府の大軍を翻弄し、建武の中興に功のあった楠木正成は、ここ湊川の地で足利尊氏の大軍を迎え撃ち壮烈な最期を遂げました。湊川神社境内の北西に殉節地（戦没地）、東南に墓地があり、墓地には徳川光圀（水戸黄門）が建立した「嗚呼忠臣楠氏之墓」の墓碑があります。

 

 

★湊川神社HP

http://www.minatogawajinja.or.jp/

 

 

 

■参考写真（写真をクリックすると拡大表示できます。2020/11/24撮影）

 

＊訪れた日には晴れ着を着た数組の七五三参りの親子を見かけました。

 

①本殿

昭和27年に復興新築された鉄筋コンクリート造りです。後方左の森の中に大楠公殉節地があります。

 

②本殿の天井画

有名画家の奉納による天井画で、中央の大青龍は福田眉仙（ふくだびせん）作です。

 

③大楠公殉節地の門

右下の石碑には楠木正成戦没地と刻まれています。

 

④楠木正成公戦没地の説明板

 

⑤境内

多数の楠木が植えられています。

 

⑥イチョウの黄葉

 

⑦境内の紅葉

 

⑧楠木稲荷神社

 

⑨神門

 

⑩明治天皇御製

神門の並びに立つ明治天皇の御製「あた波をふせぎし人はみなと川神となりてぞ世を守るらむ」の歌碑です。

 

⑪大楠公御墓所の入口

境内の中からも御墓所へ行けます。

 

⑫大楠公墓所

右の石柱には、史蹟楠木正成墓碑と刻まれています。

 

⑬大楠公墓所

真ん中に見えている白い亀の上に「嗚呼忠臣楠氏之墓」の墓石が乗っています。

 

⑭嗚呼忠臣楠氏之墓（ああちゅうしんなんしのはか）

徳川光圀が建立した墓碑で、碑文は光圀の自筆です。建立時には光圀の家臣・佐々木宗淳（助さん）が兵庫に来て現場を指揮しました。

 

⑮徳川光圀公像

 

⑯徳川光圀公御像並頌徳碑の説明板

 

⑰大楠公御一代記

真新しい大型の説明板です。

 

⑱大楠公画像（横山大観・筆）

 

⑲湊川の合戦、大楠公御殉節

「七生報国」を誓って弟・楠木正季（まさすえ）と刺し違えて最期を遂げたときの絵です。

 

⑳徳川光圀公が墓碑を建立、明治維新の志士達の参拝

幕末に多数の志士たちが大楠公の墓前に額づき、国事に奔走することを誓いました。高杉晋作、真木保臣、吉田松陰、西郷隆盛、伊藤博文、坂本龍馬、木戸孝允、大久保利通、三条実美などが参拝したとのことです。

そうすると、大楠公の肉体は滅しても「七生報国」は後の世に実現したことになります。

おそらく、今後、未曽有の国難が生じたとき、未来の志士達がこの墓前に参り一身を投げうって働くのではないでしょうか。

 

＝以上＝