平谷川緑地探訪 ~緻密な河川整備計画で造成された緑地~
■平谷川(兵庫県三田市ウッディタウン)
・平谷川緑地を全長にわたって歩いた記録をご紹介します。
・平谷川はウッディタウンを貫流する二級河川で、ウッディタウン造成に当たって防災面と環境面の検討が行われ、大規模な河川整備計画が策定されました。
・その結果、現在はすばらしい市民の憩いの場が実現しています。
・ウッディタウン造成によって、平谷川はその姿を大きく変えました。詳細は当情報の最後をご覧ください。
【注】
①平谷川緑地の名称と範囲については、三田市HPの次のサイトの3頁目の図に記載があります。
syakaisihonnsougouseibikeikakur2.pdf (sanda.lg.jp)
②当記事中のリンク先の情報は別画面で表示されるように設定してあります。
■参考写真(写真をクリックすると拡大表示できます。2022/05/22撮影)
平谷川緑地の全体図は次のサイトがわかりやすいです。
★神戸三田ホテルおすすめ 全長4,990m平谷川ウォーキング・ジョギングコースMAP
神戸三田ホテルおすすめ「全長4,990m平谷川ウォーキング・ジョギングコース」MAP (kobesandahotel.jp)
①路傍の花々
・あかしあ台小学校南の平谷川緑地遊歩道入口のさらに南側の広い道路沿いで撮影しました。
・ミヤコグサ(黄色の花、都草)、アカツメクサ(ピンクの花、赤詰草)、コバンソウ(中央右の小判形の花、小判草)などが咲いています。
②あかしあ台小学校南の遊歩道
・新緑の中を進みます。
③井沢池の鯉
④井沢池
・昔からあるため池ですが、ウッディタウン造成時に堤防のかさ上げが行われました。
⑤~⑥ブタナ(豚菜)
・井沢池北の遊歩道沿いに背の高いタンポポのような花が一面に咲いていました。
・どうやら外来植物のブタナであるようです。
⑦イタチハギ(鼬萩)
・外来植物です。
⑧更池
・昔からあるため池ですが、ウッディタウン造成時に堤防のかさ上げが行われました。
⑨新緑の遊歩道
⑩~⑪河川起点標識
・ここから二級河川の平谷川が始まることを示す標識で、更池堰堤直下の川の両岸に設置されています。
・右岸の標識は「平谷川」の名前がなくなっていました。
・上は左岸、下は右岸の写真です。
⑫ニシキウツギ(二色空木)
⑬キショウブ(黄菖蒲)
・きれいな花ですが、鑑賞目的で移入された外来植物です。
・平谷川の水辺の各所に咲いていました。
⑭平谷川の遊歩道
⑮キショウブ
⑯オオカワヂシャ(大川萵苣)
・水際に群生していました。これも外来植物です。
⑰キショウブ
⑱ヤマボウシ(山法師)
・平谷川歩道橋直下の下流方向を撮りました。
⑲平谷川歩道橋から見た上流方向
・中央左上にお清水広場があります。
⑳平谷川歩道橋から見た下流方向
・左上は千丈寺山(せんじょうじさん、590m)、橋の下に見えるのは平谷池です。
・中央のすぐ上にけやき台公園が見えています。
㉑キショウブ
㉒タニウツギ(谷空木)
㉓平谷池
・この日は水鳥がいませんでした。
・平谷池の遊歩道で亀に遭遇しました。なぜ池よりかなり高い位置の遊歩道にいたのかわかりませんが、筆者が近づくと池の方へ法面の草むらを下って行き、水面近くの石張りの部分をカタカタと音を立てながら滑り落ちて池にドボンと入りました。
・ウッディタウン造成時に新たに築造された池です。
㉔ノイバラ(野茨)
・付近の法面はノイバラが群生していました。
㉕静水池の手前の減勢工
・静水池の手前は急斜面なので、豪雨時などの護岸破損防止のため、河床に水勢を弱める衝立のような減勢工が設置されています。
㉖テイカカズラ(定家葛)
㉗静水池の噴水
㉘カナメモチ(要黐)
㉙けやき台公園の有鼻古墳
㉚有鼻古墳から見た奈良山
・中段のやや上は中央公園の奈良山で風の塔が見えています。
・奈良山には奈良山古墳群があります。
・上段は六甲山地です。
■平谷川周辺の造成
・ネットで調べたところ、平谷川周辺の造成・整備に関する資料が見つかりました。
・平谷川はニュータウン造成によって、その姿を大きく変えたことがわかります。
★【資料】ニュータウンにおける水環境の保全について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/proer1988/20/0/20_0_74/_pdf/-char/en
・これは住宅・都市整備公団の資料で専門的な内容ですが、綿密に計画されたことがわかります。
・学校、公園、集合住宅の地面の下に雨水貯留施設(砕石空隙貯留施設)が多数造られ、ため池も活用して渇水期でも川に水が流れるように、大雨でも水が一度に川に流れ込まないように工夫されています。貯留施設のひとつである「ゆりのき台高校」は現在の三田西陵高校と思われます。
・ニュータウン造成にともない、平谷川は流路が変更され河底の標高も高くなりました。
■国土地理院地図で見る平谷川の変遷
・参照するリンク先(とりあえずクリックしてみてください)
★★画面が複雑なので、パソコンの大きい画面だと見やすいですが、スマホやタブレットだと見にくいです。★★
・ウッディタウン造成前後の平谷川が、古い航空写真と最新地図を見比べることでよくわかります。
・上記リンクで表示される画面の中心部の+マークは、現在の平谷池の中央の位置にあります。
・左下の「選択中の地図」は、「1961年~1969年の航空写真」と「標準地図」となっており、画面操作すると一方または両方を表示できます。
・「1961年~1969年の航空写真」の欄の右の「合成」をクリックすると表示が「解除」になり、航空写真と現在の地図が重なって表示されます。
・合成と解除を繰り返すことで、各地点の古い航空写真と最新地図を見比べられます。
・見る地域(ドラッグで変更可)や縮尺を変えることでいろいろな場所を見ることができます。
★地図と航空写真を見比べてわかること(一部の紹介)
・平谷池の位置にもともと池はありませんでした。
・平谷川はかなり広い平野または盆地底を蛇行しながら流れていました。現在の平谷川は直線的です。
・駒ヶ谷運動公園の駒ヶ谷池の面積は、ウッディタウン造成で大きくなりました(目分量では約4倍になっています)。
・ウッディタウン造成は、以前にあった丘を崩して田畑や道などを埋め、川の流路を変更するという大規模な工事であったことが推定されます。
=以上=