御霊神社 ~国指定重要文化財の本殿~
■御霊(ごりょう)神社
兵庫県三田市貴志(きし)に鎮座する御霊神社は、創建時期は不明ですが、現在の本殿は室町時代の文明2年(1470年)に再建されました。本殿は国指定重要文化財です。
祭神は、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)、大比古命(おおひこのみこと)、比売神(ひめのかみ)、鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)です。鎌倉権五郎景政は平安時代後期の勇将で、鎌倉の御霊神社から勧請・合祀されました。
■参考写真(写真をクリックすると拡大表示できます。2021/01/17撮影)
①御霊神社参道入口
②参道
幅の広い参道がまっすぐ延びています。参道の長さは150mぐらいあります。正面に拝殿の屋根が見えています。
③鳥居と拝殿
④説明板
⑤鳥居と拝殿
⑥拝殿
高木が多い社叢の中に風格のある社殿が鎮座しています。
⑦拝殿内
正面奥は本殿です。
⑧絵馬が掛かる拝殿内部
⑨本殿(正面から)
⑩本殿(左側から)
文化庁のデータベースによると本殿は、桁行二間、梁間正面三間、背面二間、一重、入母屋造、妻入、向拝一間、檜皮葺です。
⑪蟇股(かえるまた)の透かし彫り(本殿正面)
中央の蟇股の真ん中に十一面観音菩薩を意味する梵字のキャ(下図)があります。神仏習合の名残です。
⑫蟇股の透かし彫り(本殿右側)
左は恵比寿大黒、右は唐獅子牡丹です。
⑬蟇股の透かし彫り(本殿左側)
三宝珠です。
⑭コロナ対策をした狛犬
⑮~⑰夜なき石
説明板を見ると、2枚目の写真が夜なき石であるようです。
⑱大峰登拝供養塔(左)と神変大菩薩像(右、じんべんだいぼさつぞう)
供養塔は宝篋印塔(ほうきょういんとう)の立派なもので、「奉供養 大峯 山上」、「奉詣三十三度」などとと刻まれており、造立年月日は明和元年12月吉日と彫られているようです(断定できません)。明和元年ならば西暦1764年で、江戸時代にあたります。この塔は修験道の聖地・奈良県大峰山脈の山上ヶ岳(さんじょうがたけ、1719m)に33回登拝したことを記念するものです。
⑲神変大菩薩像
高下駄を履いた神変大菩薩像です。「神変大菩薩」は修験道の開祖・役行者の一千年御遠忌に際し、寛政11年(1799年)に光格天皇から贈られた諡号です。奈良時代の行者に江戸時代の天皇から諡号が贈られるとは、皇統が継続している日本ならではのことであり、役行者の貢献の大きさがわかります。
⑳御霊神社社務所裏から北東側の風景
中央部の3つの山は左から、烏ヶ岳(からすがたけ、528m)、有馬富士(ありまふじ、374m)、大船山(おおふなやま、653m)です。3つの山がほとんど一ヶ所に集まって見えるのは面白いです。
㉑すずかけ台側の参道入口
ウッディタウン側の入口です。
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