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(富士が丘、上深田、池尻)

2022年 12月 23日 金曜日

冬眠しないクマがいる ~奈良県大峰山脈の事故例~


投稿者:ささえあいふじ

■登山道で熊に体当たりされ、熊もろとも崖下に転落

【事故の概要】

・2022年12月14日(水)の昼過ぎに奈良県の大峰山脈・大普賢岳(だいふげんだけ、1780m)で男性2名が登山道を歩いていたところ、突然左手側から突進してきたクマに1名が体当たりされ、そのまま崖からクマと一緒に転落する事故が発生しました。

・約90m下で発見された男性は死亡が確認されました。

・下記参考情報③に記載のyoutubeには「過去100年間に約2200件のクマ関連事故があり、そのうち登山関連は約100件で死亡事故はない」との説明があります。今回の登山者の死亡事故は稀なケースであるようです。

 

※筆者注:登山関連のクマによる死亡事故数は、ツキノワグマの話と思われます。ヒグマによる登山者死亡事故は発生しています。

 

 

■事故発生場所の補足(参考情報①の2枚目の山の写真について)

・写真中央下の白い平地のように見える部分は、廃業した和佐又ヒュッテ、和佐又スキー場・キャンプ場の跡地です。

・写真中段の左端は和佐又山(わさまたやま、1344m)、写真右上の三角形のピークが大普賢岳です。

・写真は東側から撮ったものです。

 

 

■参考情報

①クマに遭遇 どうすれば(NHKならナビ)

2022年12月19日 午後6:47 公開

クマに遭遇 どうすれば – ならナビ – NHK

・今回の事故の情報です。

 

②クマに遭遇した時、絶対にやってはいけない“左右の動き” 日米のクマ研究者が伝授する「伏せて首をガード」

2022年12月20日 火曜 午前11:50

クマに遭遇した時、絶対にやってはいけない“左右の動き” 日米のクマ研究者が伝授する「伏せて首をガード」(FNNプライムオンライン) – Yahoo!ニュース

・NPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏による解説です。

・クマスプレー(クマ撃退スプレー)で約9割は助かります。

・クマに遭遇した場合は動かないことが重要で、米田氏は木につかまるということです。まるで忍法・木遁の術ですね。

・米田氏が実際に立ち木につかまっている様子を示すyoutubeが公開されていますので、下記③のサイトをご覧ください。

 

③ツキノワグマ出没 ~熊への効果的な対応方法~

https://sanda-fujigaoka.com/2021/06/23/16190

・ツキノワグマ対応の最新情報をまとめたサイトです。

 

 

■奈良県のクマ生息地域

・奈良県HPに次の記述があり、広範囲にクマが生息していることがわかります。

ツキノワグマの恒常的生息地域(旧西吉野村、旧大塔村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村)に、黒滝村、下市町、旧五條市の吉野川以南および吉野町の吉野川以南の地域を加えた地域。

ツキノワグマの目撃情報に伴う注意喚起について/奈良県公式ホームページ (pref.nara.jp)

 

 

■冬でもクマは活動するのか?

・NPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏の著書やyoutubeに次の説明があり、四季を通じてクマに注意する必要があることが分かります。

①冬季でも冬眠せずに動き回るクマが存在する。

②あるクマ研究者の説には「富栄養の穴もたず」という言葉があり、実際に栄養状態のよい個体は冬眠しない場合がある。

③冬眠中のクマは、きっかけがあれば瞬時に穴から飛び出すことが可能なので、冬眠している樹木の幹を叩いたり冬眠穴を覗き込むようなことをしてはいけない。

 

 

■筆者の対応例

・筆者は山歩きを始めたころに、米田一彦著『山でクマに会う方法』(山と渓谷社刊)を読んで、クマ出没の可能性がある山域の登山ではクマ撃退スプレーを携行するようになりました。この本には、冬眠しないクマがいることも書かれています。

・大峰山脈、台高山脈などで四季を通じて単独登山することも多く、その際はクマ撃退スプレーを腰に装着していますが、実際にクマに遭遇したことはなく、スプレーを使用したこともありません。

・山中ではクマの痕跡に注意します。糞、樹木の皮剥ぎや爪痕などが参考になります。積雪期は動物の足跡が雪上に残りやすいです。

 

=以上=