神戸市北区・丹生山 ~義経道を歩く~
■丹生山(たんじょうさん、515m、神戸市北区山田町)
丹生山は、六甲山地の北西に位置する500m級の丹生(たんじょう)山系の主峰です。山系の最高峰は稚子ヶ墓山(ちごがはかやま、596m)ですが、丹生山の方が歴史的に重要です。
丹生山の山頂部には、古い歴史を持つ丹生神社、丹生山城跡、明要寺(みょうようじ)跡があります。平清盛が神戸福原にいるときは、丹生神社に月参りに来ていたそうです。明要寺については写真⑯の説明をご覧ください。
三草合戦で平家に勝利した源義経軍が、丹生山を通って須磨・鵯越へ向かった道は義経道と呼ばれています。今回は、丹生山南麓の衝原(つくはら)から丹生山頂まで義経道を往復しました。
源義経は丹生山の南に住む(諸説あり正確には不明)鷲尾三郎を家来に加え、鷲尾三郎が鵯越への険路を案内しました。その後、鷲尾三郎は奥州衣川の館で源義経が最期を迎えるまで付き従い運命を共にしました。丹生山の南に鷲尾一族の屋敷跡と伝わる場所があります。
衝原には日本最古の民家と言われる箱木千年家(国の重要文化財)がありますが、最近は公開していないとのことで行きませんでした。神戸市北区山田町は丹生山田と呼ばれ、古くから第一級の文化が流入し現在まで残っています。
■丹生山登山情報
★丹生山(兵庫)の山総合情報ページ / 登山ルート、写真、天気 …
https://yamap.com/mountains/15520
■参考写真(写真をクリックすると拡大表示できます。2021/05/03撮影)
①丹生山
衝原の有料駐車場付近から見た丹生山頂上部です。
②丹生山登山口
義経道はつくはらサイクリングターミナル横から登ります。このターミナルのトイレが使えます。写真の門の左に「丹生山登山口」の小さい案内板が見えています。丹生山へは道の突き当りを右折します。
③シャガ(射干)
④~⑥新緑の登山道(義経道)
⑦モチツツジ
数は少ないですが、まだモチツツジがきれいに咲いていました。
⑧新緑の山
⑨登山道
⑩丁石
「寺より八丁」と刻まれた古い丁石です。
⑪登山道
⑫シブレ山
無線塔が立つ山は丹生山の南西に位置するシブレ山(348m)です。丹生山の北西にシビレ山(465m)があるので混同しやすいです。
⑬石仏
明要寺住職墓地入口の石仏です。
⑭稜線の表参道との合流点
⑮表参道
直前の⑭の合流点を左折して丹生山頂へ向かいます。
⑯史蹟の石標
かつてここに丹生山城、明要寺がありました。明要寺は羽柴秀吉の三木(別所氏)攻めの際に三木方に付いたため、焼き討ちにあいました。このとき、殺害された明要寺の稚児たちが丹生山系の東の稚児(稚子)ヶ墓山に埋葬されたそうです。
⑰丹生神社の摂社?
地元の方々が神社周辺の清掃等のため、軽トラ数台で山頂まで来ておられました。この写真の右下に軽トラの一部が写っています。
⑱林道
⑲丹生神社の鳥居
⑳丹生神社の社務所
㉑丹生山頂(丹生神社拝殿前広場)
南東側の風景で、神戸市北区の住宅地が広がっています。写真中央の左の白いビルは、神戸市北区日の峰のコープこうべです。
㉒丹生山頂
写真㉑の右(西側)に続く風景です。上段右端は菊水山です。
㉓丹生神社拝殿
㉔丹生山頂
左(東南東)に六甲山の凌雲台の無線塔群が見えています。
㉕ミツバチの巣箱
丹生神社の周囲にニホンミツバチの巣箱が数個設置され「日本ミツバチ誘引中」と表示されていました。
㉖丹生神社拝殿前広場
菊水山方面の眺めです。地元の方の話では、今年、樹林の切り開き部分を広げて眺めをよくしたそうです。視程のよい日は、関西空港も見えるとのことです。
㉗丹生神社の鳥居
写真中央に県道85号線に面した丹生神社の石鳥居が見えています。鳥居の左は丹生神社前バス停です。石鳥居から山頂の丹生神社まで表参道が通じています。
㉘下山時に見えた西南西の風景
手前の山は神戸市西区神出町の雌岡山(右、めっこさん、249m)と、雄岡山(左、おっこさん、241m)です。真ん中に神戸製鋼所加古川製鉄所の高炉群、その先に家島諸島が見えています。
この写真は、急坂を下降中に樹間に景色が一瞬見えたので、ストックで体勢を支えながら片手で撮影したものです。
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