車池・庄司が池探訪 ~富士が丘の池いろいろ~
■先日の深田池・藤屋池に続き、2019/10/30(水)に富士が丘の池2つ(車池・庄司が池)をめぐりました。これで兵庫県三田市富士が丘のため池4つ全部を探訪したことになります。今回は晴天の日に行きました。
主な目的はため池の構造や治水対策の実地見学ですが、天気がよくて快適なハイキングができました。紅葉やたわわに実る柿が見られ、庄司が池にはカイツブリとカワウが元気に潜っていました。池尻川から車池方向へ登る道ではキジを見ました。突然足元で大きい羽音がしたので驚いたのですが、大きいキジが一生懸命羽ばたいて飛び去りました。小鳥ほど俊敏には動けないので、キジであることがわかりました。
★兵庫県三田市富士が丘(Google地図)
https://goo.gl/maps/CM1Fb7fwd8ubYy2e6
ため池は東から、深田池、庄司が池、車池、藤屋池です。
■Google地図の航空写真でため池の様子がある程度わかりますが、特に気になったのは越流堤(洪水吐、余水吐)です。
航空写真から読み取った越流堤の長さは次のとおりでした(おおよその数字です)。
*深田池(ふかだいけ) 13.6m
*庄司が池(しょうしがいけ) 2.3m(越流堤はなく、放水口の幅です)
*車池(くるまいけ) 15.9m
*藤屋池(ふじやいけ) 9.0m
※車池の面積は深田池よりもかなり小さいのに、越流堤はなぜか深田池よりも長いです。
■車池に関する考察
*車池が富士が丘の他の3つの池と大きく異なる点は、すぐ下流に住宅が密集していることです。
*万一、車池が氾濫すれば大きい被害が生じます。
*車池の水面面積、集水面積、貯水量は最大の深田池よりもかなり少ないと思われるのに、過大とも思われる治水対策が取られているのは、万一の氾濫をも防止するためではないかと推定しています(確認できていません)。
■参考写真(車池)
写真をクリックすると拡大表示できます。
1-車池
正面は越流堤、右の白い建物は斜樋(しゃひ)操作室です。
2-越流堤
右側から溢れ出た水は奥の口から放水トンネルに入ります。右手にはごみや木の枝などを防ぎ止めるガードが付いています。人の落下を防ぐ目的もあるのかもしれません。
3-放水トンネル入口
トンネル入口にもガードが付いています。
4-放水路の地表
池の北西端の道路です。左の空き地は越流堤からの放水トンネルの延長部分の真上に位置し、右のレンガ色歩道は斜樋調整室の真北(平常時の放水トンネルがあると思われる)に位置します。水をできるだけスムーズに流そうとする意図が感じられます。
5-放水路の地表
越流堤からの放水と、斜樋からの放水は合流し、北の池尻川へ流れ下ると推定されます。この地下の放水路は大規模であるようです。
6-マンホール蓋(雨水と表記)
三田市の下水道は分流方式なので、車池からの水は雨水のマンホール内を流れます。
7—マンホール蓋
少し広い区画に雨水のマンホール蓋が2つあります(目的は不明)。
8-放水トンネル出口
フラワータウン丘陵上から放水トンネルを流れ下った水の出口です(池尻川への流入地点直前)。
9-放水トンネル出口・減勢工(下部の突起は減勢工)
10-池尻川への流入地点
流入しやすいように斜めに流れ込みます。右が池尻川。
■参考写真(庄司が池)
写真をクリックすると拡大表示できます。
11-庄司が池
手前が放水口、奥の白い建物が斜樋操作室。
12-放水口
他の池のような大規模な越流堤はありませんが、堰を越えた水が流れ出るのでこれも越流堤の一種です。
13-斜樋操作室
14-庄司が池の北側
放水口からバス道を渡った北側の一画です。ここは池尻川の放水路出口からまっすぐ登って来た地点です。広いコンクリート敷(真ん中の雑草が生い茂る部分)の下に越流堤または放水路があると思われます。
15-庄司が池・放水路
急な斜面に放水路(上部は暗渠、下部は開渠)が通っています。草が生い茂り、枝が落ちているので通行注意、マムシにも要注意です。安易に踏み込むと危険です。
16-池尻川への流入地点
池尻川に直角に流入しています。
17-斜樋・底樋からの池尻川流入口?
庄司が池の斜樋操作室と放水口がかなり離れている点を考慮すると、斜樋・底樋からの放水は斜樋操作室の北側から直近の池尻川河岸へ流れているものと思われます。実際にその地点に写真の建物があり、ハンドルと放水口があります。川の壁面に穴が開いている部分が放水口のようです。(以上は外観からの推定であり、確認できていません)
18-底樋のハンドル?
真ん中にハンドルが見えています。
=以上=