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2019年 6月 22日 土曜日

屋久島の大雨・土砂災害の考察 ~「気象情報」活用のすすめ~


投稿者:ささえあいふじ

■「気象情報」という名の気象情報をご存じでしょうか?

以下は気象庁のサイトの引用です。

 

◆気象情報 (警報・注意報に先立つ注意喚起や警報・注意報の補足など)

「気象情報」とは

 ニュースなどで「気象庁では、○○に関する(気象)情報を出して警戒を呼びかけています」という言葉が流れることがあります。気象庁は、警報・注意報に先立って注意・警戒を呼びかけたり、警報・注意報の発表中に現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説したりするために「気象情報」という情報を発表しています。

 

 気象情報も、警報や注意報などと同じように関係行政機関、都道府県や市町村へ伝えられ、防災活動等に利用されるほか、報道機関などを通じて地域住民の方々へ伝えられます。「気象情報」は、警報や注意報と一体のものとして発表し、現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説するなど、防災上重要な情報です。是非とも有効にご活用いただきたいと考えています。

=引用終わり=

 

「気象情報」は気象庁のサイトで見ることができます。

https://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 

 

■屋久島の大雨・土砂災害

 令和元年5月18日に鹿児島県の屋久島で大雨による土砂災害が発生し、300人を超える登山者が下山できなくなりました。このため警察、地元消防団、海上保安庁、陸上自衛隊が出動して幸いにも全員無事に救助されました。

 

 このときは登山開始時点で警報が発表されていなかったため、ガイドを含む多数の登山者が登山を開始しました。

 屋久島町などが定めたガイド向けルールでは、気象警報の発表時にはツアーを実施しないことになっていたため、多くのガイドは警報が出ていないのでツアー開始を決めたということです。

★朝日新聞 「大雨予報、分かれたツアー対応 警報前はガイドが判断」

 20195192007https://www.asahi.com/articles/ASM5M45CNM5MTIPE00N.html

 

  実は、前日の5月17日15時45分に鹿児島地方気象台が「大雨に関する九州南部・奄美地方気象情報 第1号」を発表し、5月18日04時41分には気象情報第2号を発表していました。

 今回のケースでは、九州南部で大雨と土砂災害の恐れがあることが前日午後と当日早朝に指摘されていたわけで、これを見て危険と判断し登山を中止していれば問題はありませんでした。

 危険を回避するには、状況をよく見て柔軟に判断することが重要です。

 

 大雨の気象情報が発表されても、実際には晴天で雨は降らないこともありますが、安全第一で考えると「君子危うきに近寄らず」です。筆者自身は軟弱登山者ですが、この方針で過去1000回超の山歩きを安全に実施できました。

 最近は過去に例がないほどの猛烈な大雨や異常気象が頻発しているので、登山に限らず日常活動についても「気象情報」の活用を考えた方がよさそうです。

 

 以下は屋久島大雨・土砂災害時の実際の気象情報です。このときは、5月20日05時32分発表の第9号まで継続して気象情報が発表されました。この情報を見てもなお登山しますか?

 

★大雨に関する九州南部・奄美地方気象情報 第1号

令和元年5月17日15時45分 鹿児島地方気象台発表

(見出し)

九州南部では、18日は局地的に雷を伴い非常に激しい雨が降り19日にかけて大雨となるおそれがあります。土砂災害に警戒してください。

(本文)

 九州南部では、東から湿った空気の流れ込みが19日にかけて継続し、大気の状態が不安定となる見込みです。

このため、九州南部では、18日明け方から夜遅くにかけて局地的に雷を伴い非常に激しい雨が降り、19日にかけて大雨となるおそれがあります。

<雨の予想>

 17日18時から18日18時までの予想降水量(多い所)

 1時間降水量

  鹿児島県(奄美地方を除く)  50ミリ

  宮崎県   50ミリ

 24時間降水量

  鹿児島県(奄美地方を除く) 200ミリ

  宮崎県   200ミリ

 19日にかけて雨量は更に増える見込みです。

<防災事項>

 警戒事項:土砂災害

 注意事項:河川の増水、低い土地の浸水、落雷、突風

 今後、地元気象台、測候所が発表する警報、注意報、気象情報等に留意してください。

 次の地方気象情報は、18日05時30分頃に発表する予定です。

 

★大雨に関する九州南部・奄美地方気象情報 第2号

令和元年5月18日04時41分 鹿児島地方気象台発表

(見出し)

九州南部では、18日昼過ぎから夜遅くにかけて局地的に雷を伴い非常に激しい雨が降り大雨となるおそれがあります。土砂災害に警戒してください。

(本文)

 九州南部では、東から湿った空気の流れ込み、大気の状態が不安定となる見込みです。

 このため、九州南部では18日昼過ぎから夜遅くにかけて局地的に雷を伴い非常に激しい雨が降る見込みです。

<雨の予想>

 18日06時から19日06時までの予想降水量(多い所)

 1時間降水量

  鹿児島県(奄美地方を除く)  50ミリ

  宮崎県  40ミリ

 24時間降水量

  鹿児島県(奄美地方を除く) 200ミリ

  宮崎県  200ミリ

<防災事項>

 警戒事項:土砂災害

 注意事項:低い土地の浸水、河川の増水、落雷、突風

 今後、地元気象台が発表する警報、注意報、気象情報等に留意してください。土砂災害や浸水害及び洪水の危険度に関しては、「気象庁ホームページ」などを確認してください。

 次の地方気象情報は、18日16時00分頃に発表する予定です。

 

=以上=