鎌倉山行者道ハイキング ~古刹・普光寺を起点に峰々を巡る~
■鎌倉山(かまくらやま、452m、兵庫県加西市)
鎌倉山とその周辺の峰々には明治35年(1902年)に大峰山を模して開かれた行者道が通じています。
中心となる蓬莱山普光寺(ほうらいさん ふこうじ)は白雉2年(651年)に法道仙人によって創建された古刹です。鎌倉山の山頂直下にある洞窟が法道仙人終焉の地と言われています。
令和3年5月29日(土)に鎌倉山行者道を歩きましたので、記録をご紹介します。
■参考情報
★普光寺HP
http://www.fukouji.com/index.html
★鎌倉山行者道ハイキングマップ
http://kanko-kasai.com/navisite/wp-content/uploads/2014/03/07panf04.pdf
今回は最短のSコースを歩きました。距離約5.4km。
★行者道と言われるだけあって、急登・急下降や急斜面の細い登山道(トラバースのような)歩きがあります。登山時は、登山靴などの登山装備を整えて登ることをおすすめします。
■参考写真(写真をクリックすると拡大表示できます。2021/05/29撮影)
①「行者道の案内」の石碑
歩く前に石碑を見ておかれることをおすすめします。
②普光寺
正面奥が普光寺本堂です。真ん中の大灯篭に「一隅燈」と大書されています。今回は普光寺駐車場を起点に周回しました。
③登山口への案内標識
左側の奥に普光寺本堂があります。ここを右へ進むと登山口があります。
④獣害防止ゲート
ゲートを開けてネットの中へ入ります。林道を進みます。
⑤登山口
ここから山へ登ります。標識を見落とさないように注意します。
⑥登山道
しばらく登ったところで踏み跡がわからなくなりました。スマホGPSアプリYAMAPのルート図を見ながらしばらく歩いて登山道に復帰できました。
筆者がこのルートを歩くのは2回目ですが、前回は登山道を外れることなく歩けました。今回は、多数の倒木や落葉があって踏み跡がわかりにくかったものです。低山ではこのようなケースが少なからずあるので、スマホGPSアプリは大いに役立ちます。
⑦送電鉄塔
送電鉄塔を過ぎるともうすぐ稜線の行者道出合です。
⑧ホオノキ(朴の木)の花
送電鉄塔のすぐ近くに高いホオノキがあり花が数輪咲いていました。
⑨北側の峰々
行者道はこれらの峰々の稜線を通っています。これらの峰々は北側の多可町と南側の加西市の境界でもあります。山々の新緑が眼に染みます。
⑩行者道
稜線の行者道との合流点です。左へ進み、まず鉢尾峰(大天井)を目指します。大天井の正確な読みはわかりませんが、大峰奥駈道の大天井ヶ岳(おおてんじょうがたけ、1439m)を模した名前でしょう。
⑪役行者(えんのぎょうじゃ)石像
錫杖を持ち高下駄を履いた修験道の開祖・役行者像です。
⑫大天井(460m)頂上
樹木が繁茂し展望はありません。
⑬クマの爪痕?
大天井頂上直下の太い木の幹にクマの爪痕らしい傷が付いていました。このような傷が付いた木は他にも見かけました。
⑭行者道の新緑
⑮キビタキ(黄鶲)
少し離れた枝に鮮やかな色の小鳥が止まりました。キビタキの雄です。
⑯小天井(460m)頂上
⑰小天井北側の風景
⑱大日如来石像
⑲東ののぞき南側の風景
この日は視程が悪くて瀬戸内海や家島諸島などは見えませんでした。写真の上段右の高峰は兵庫県加古川・高砂市境の高御位山(たかみくらやま、304m)、その左下に峻険な加西アルプスが見えています。
「東ののぞき」は展望のよい断崖上の岩場で、大峰山の「東の覗き」と同じ名前です。参考情報のハイキングマップには「磐座には役行者と不動明王がまつられ」と記載されているので、断崖から身を乗り出して下を見れば石像が見えるのかも知れません。高所恐怖症の筆者には無理ですが。
【参考】次の写真は高御位山から見た鎌倉山です(2021/06/02撮影)。
上段左が鎌倉山、右の横長の山塊の最高峰が大天井です。中段右は加西アルプスの善防山です。
⑳東ののぞきの岩場上部
横から撮った写真です。
㉑柳峠の道標
柳峠は山上の交差点で、稜線を東西に縦走する行者道と、稜線を南北に越える登山道が交差しています。
ここから鎌倉山を目指してひたすら登ります(急登の連続です)。
㉒送電鉄塔付近の北側の風景
真ん中のピークは人工的に切り開かれていて東屋らしい建物があります。多分、このピークは「なか・やちよの森公園」の黒木山と思われます。
㉓ロープ付きの急登(数箇所あります)
㉔孔雀明王石像
㉕鎌倉山(452m)頂上
視程のよい日は広大な展望が楽しめます。中央下は三角点です。
㉖法起大菩薩石像
法起大菩薩は役行者が金剛山で修行中に感得した仏様です。
㉗鎌倉山頂上の南側の風景
眼下に加西市河内町の集落や田んぼが広がっています。
㉘西ののぞき
鎌倉山の頂上直下の断崖上にある西ののぞきです。大峰山の有名な「西の覗き」と同じ名前です。
㉙摩崖仏のある岩場
西ののぞきから摩崖仏のある岩場の先端が見えています。草木が茂っているため一部しか見えていません。この付近に法道仙人終焉の地の洞窟があるそうです。
㉚鎌倉寺と鎌倉神社
左の急な石段の上に鎌倉神社があります。
㉛登山口(下山口)の石像
不動明王と役行者の石像です。
=以上=